レゴには大会があることを知ってましたか?
といってもブロックで大きなオブジェを作る訳ではないんです。
教育版レゴ(LEGO Education)のキットを使用したロボットコンテストなんです!
レゴ社がスポンサーしているFLLとWROという2つの世界的な大会がありますので、大会の様子や参加方法等を解説します。
プログラミングに興味がある方、教育・自治体の方、STEM教育に関心がある方の参考になれば幸いです。
※各開催団体の英語版・日本語版サイト、スポンサーのロボット教室の記事、競技や参加者のYouTube動画を調べたうえでまとめています。
FLLとは
FLL(First LEGO League)とは、米国NPO法人のFIRSTが主催している世界最大規模のロボコン。
小1~高1までの学生が対象で、FIRSTJapanというNPO法人が2004年からFLLJapan大会を主催。
同大会はLEGOと大企業がスポンサーで、全国大会を勝ち抜くと世界大会へと挑戦できます。
FLLでは8月のチーム編成〜翌年上半期の世界大会までを「シーズン」と呼びます。
毎年8月にはシーズンの「テーマ」が発表されるのですが、どれも社会問題関連。
参加者はレゴの教育用キットを使ってSTEM教育を学び、チームワークを身に着けることができます。
使用するレゴキット:エクスプロアセットとWeDo2.0セット、またはSPIKE ベーシック
2024年大会概要
【2023-2024シーズン テーマ】MASTERPIECE(アート×STEM)
【参加申込】
FIRSTJapanのHP上でチーム登録・申し込みをし、届いた大会キットを基に予選大会まで活動します。
FLL Explore(小1~小3):その年の4月1日時点で小学1年~小学3年生が対象
・1チーム2名~6名の生徒と2名までの大人のコーチ
FLL Challenge (小4~高1):その年の4月1日時点で小学4年~高校1年生が対象
・1チーム2名~10名の生徒、2名までの大人のコーチ
【スケジュール】
- 2024年2月12日:全国大会@東京大学
- 世界大会:アメリカ、ノルウェー、オーストラリア、ブラジルを予定
FLL競技内容
参加者の年齢によって2つの部門(ExploreとChallenge)があり、競技内容も異なります。
全ての競技はシーズンテーマに沿っており、ミッションやルールは毎年テーマに応じて変わります。
FLL Explore(小1~小3)では「プレゼンテーション」のみで、勝敗のつくロボット競技はありません。
※FLL ExploreのカテゴリはFLLJr(ジュニア)とも呼ばれています
プログラミングができる教育版レゴで作ったモデルとポスターを使い、審査員の前で5分間シーズンテーマに関して学んだ内容を発表します。
大会(フェスティバルと呼ばれる)ではブース内にモデルとポスターを展示し来場者に対して説明します。
実際の様子(Explore)はこちら↓の動画がわかりやすいです。
チーム活動、プレゼンの様子は動画01:00あたりから。
FLL Challenge (小4~高1)では1つの「ロボット競技」と3つの「プレゼンテーション」を行います。
FLLChallengeの出場チームは両種目に参加する必要があり、どちらか一つの参加はできません。
使用するレゴキット:マインドストームEV3やSPIKEプライム (リモコン操作ではない)
以下動画(Challenge)は過去のシーズンのものですが、4つの競技のイメージがつかめると思います。
①ロボットゲーム
いわゆるロボコン。規定フィールド内に設置された15のミッションを制作したロボットで攻略します。
各ミッションにはポイントがあり、制限時間の2分30秒以内にできるだけ多くの得点を目指します。
3回トライし最高得点で競います。どのミッションは飛ばしてどれに集中するか等戦略が必要です。
②イノベーションプロジェクト
(2つ上の動画の01:45あたりから見れます)
発表されたシーズンテーマに関連した問題を1つ選び、解決策を考え審査員の前で発表します。
解決策の着眼と具体的な方法が問われます。
③コアバリュー
(2つ上の動画の00:47あたりから見れます)
シーズン中のチーム活動の成果やFLLで培ったチームの魅力を各自の表現方法で発表します。
調べてみると、パワポだったり演劇風だったりといろんなチームがありました。
④ロボットデザイン
(2つ上の動画の02:50あたりから見れます)
ロボットゲームで使用したロボットのメカニズムや、プログラミングの詳細、ミッションを攻略するための戦略や戦術も発表します。
大会結果
[全国大会の結果]
確認中です
[世界大会の結果]
アメリカ、ノルウェー、オーストラリア、ブラジルを予定
過去大会の様子
世界大会の様子はこちら↓
[FLL Explore ワールドフェスティバル] 日本チームははっぴを着ていますね!(0:22あたり)
[FLL Challenge ワールドフェスティバル]
公式サイト
最新競技ルールや大会詳細はFLL公式サイトでチェック!
公式YouTubeの動画も参考になりそうです。
WROとは
WRO (World Robot Olympiad) とはプログラムされたロボットを使用した国際的なコンテストです。
小学生から高校生までが対象で、日本ではNPO法人のWROJapanが大会を主催しています。
(2021年までは大学生や専門学生も参加できました)
学年に応じて、エレメンタリー(小学生)、ジュニア(中学生)、シニア(高校生)と呼ばれます。
国内大会で優秀な成績を収めると国際大会へ出場できます。
使用するレゴキット:マインドストームNXT、EV3またはSPIKEプライム
2024年大会概要
【2024年テーマ】「EARTH ALLIES」で、ロボットは地球の仲間になれるか?
【参加申込】
小学校~高校生の選手(児童・生徒)2~3人、コーチ1人(18歳以上の大人)でチームが必要です。
各地区予選会の実施団体(大学・専門学校・NPOなど)のHP経由で申し込みます。
※選手は複数チームに所属できないが、コーチは複数所属可能
【2024年スケジュール】
- 2024年1月15日(月)19:00(日本時間):競技ルールの公開
- 2024年2月17日:WROチャレンジコースの申込開始
- 国内大会:
- 世界大会:11月28日~30日(木~土)@トルコ共和国 イズミル
2024年の申し込み、費用、ルールの詳細はWROJapanのこちらのページをご確認ください
WRO競技内容
WROには5つの競技カテゴリがあり、年齢に応じて参加できる競技が異なります。
※2022年度より競技名が変わっているため旧情報も記載しています
①ROBO MISSION
※旧レギュラーカテゴリー(ミドル競技、エキスパート競技)
自作ロボットを使用してコース上の課題をクリアする走行競技。
詳細ルールはこちら
2回トライしたうちの最高得点で競う。
リモコンで操作するのではなく、フィールド上でスイッチをONにして事前にプログラムした動きを呼び出します。
ROBO MISSIONは参加者のレベルに応じて3種類の競技に分類されます。
①エキスパート競技:ロボットの走行競技とプレゼンテーション※
→上級者が対象で、予選会、全国大会、国際大会がある
→プレゼンテーション※はシニア(S, 高校生)のみ。ロボットの開発内容やチーム活動に関して発表
【部門】エレメンタリー (E, 小学生)、ジュニア(J, 中学生)、シニア(S, 高校生)
②ミドル競技:ロボットの走行競技のみ
→中級者が対象で、予選会>全国大会は目指せるが、国際大会はない
【部門】エレメンタリー (E, 小学生)、ジュニア(J, 中学生)、シニア(S, 高校生)
③ベーシック競技
→初心者が対象で、予選会のみ
2021年のエキスパート競技(ジュニア部門)の世界大会出場チームの動画がありました。
動画の02:12あたりからロボットを動かす様子、03:52あたりでプログラミング画面が見れます。
②ROBO SPORTS
※旧フットボール
2022年はダブルテニス。2台のロボットを制御し競い合います。
スポーツの種目は2、3年に一回変更されます。
③FUTURE INNOVATORS
※旧オープンカテゴリー
テーマに沿ってロボットを活用したシステムソリューションを企画開発しプレゼンテーションします。
2021年のテーマはエネルギーの未来でした。動画の32:33あたりからジュニア部門の発表が見れます。
このチームは深層学習を使って鹿の糞を検知・回収するロボットみたいですね。
35:50頃ににシステムの構造図があるのですが、プログラミング言語のC++とPythonを中学生で使いこなしていています・・・。素晴らしい!
④FUTURE ENGINEERS
※旧競技名と同じ
自動走行システムを開発し、規定フィールドを障害物を避けながら周回するAI技術を用いた競技
私もAIとレゴの組み合わせには興味がありいろいろ試しています。
大会結果
[国内大会の結果]
[世界大会の結果]
過去大会の様子
【2023年日本大会 決勝】
【2023年世界大会 WRO International Final】
公式サイト
最新競技ルールや大会の詳細はWRO公式サイトでチェック!
公式YouTubeの動画も参考になりそうです。
もっと知りたい方は
以上、レゴの大会2つを解説しました。
両大会とも社会問題をテーマにしており、競技とプレゼンテーションが組み込まれていますね。
教育版レゴのマインドストームのEV3やSPIKEを使用しているのも共通しています。
ちなみにEV3は廃版になり、新型ロボットキット(51515)が発売になりました。
また、入賞チームや参加チームを見ていると、プログラミング教室やロボット教室に通っている仲間でチーム編成をすることが多いようです。
FLLであればCrefusというロボット教室、WROであればAfrelという企業が正規の販売代理店のようです。
クレファスでは無料体験授業を提供しています。以下バナーより特設ページをご確認ください。
また、学習塾のZ会はSPIKEを使用した小学生向け講座を提供しています。
レゴ(R)ブロックでプログラミングを学ぶ/Z会プログラミング講座 with LEGO(R) Education今ならご入会プレゼントもあるようなので、資料請求してみてはいかがでしょうか。
それでは楽しいレゴライフを!🍅